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日本温泉気候物理医学会の50年記念誌~その1~

日本温泉気候物理医学会が創設された50年の昭和61年に出された記念誌を読みました。
歴代会長の回想、過去の会員数や会費の変遷、学会誌の歩みなどが記されてあって興味深い内容でした。

昭和10年にできたこの会は、中止(および無期延期)で学会が行われなったのは戦争末期の昭和19年と20年だけで、昭和18年(第9回)の戦時中にも物資不足の中、学会を強行し、国民服姿でリュックを背負って身の危険を冒して何日がかりで北海道や九州から来会し、鳴子の小学校講堂で行われたことが記されていました。

戦後の昭和21年には伊東ですぐに再開され、伊東では50年間で計4回も開催されていることから温泉医学との関係も深かったことが伺われます。

さらには、戦後すぐには原爆症の講演などはされていないのですが、昭和43年の草津総会の特別講演で「原爆被爆者の温泉治療」が九大の先生が発表されていることから、研究とデータの蓄積はされてきていたことが伺えます。

現在では「湯治」自体が衰退し、その医学的研究もされていない状況だと思いますが、昭和51年の第41回総会の講演で東北大学の先生は、「それまでわれわれが東北諸温泉で経験した湯治効果の実態を述べ、温泉作用の実験的研究の成果を検討し、湯治効果は正常化作用のほかに、心身症に対する正常化効果のあることを認め、その本態の究明についても言及した」と記述され「湯治の実態を経験しながら討議し合う学会であって欲しいと念願」されています。

中でも興味深いのが、公害病(原爆被爆者、水俣病、かねみ油病、ベンゾールド毒、公害気管支炎喘息など)の報告で、カドミウムと温泉の実験などがあるそうです。また「水俣からの3か月硫黄泥浴では尿水水銀排泄量が2週間で10倍増加」「かねみ油病の1カ月温泉療法では32例中75%に好転が見られた」などの報告もされていました(八田秋先生)。温泉のデトックス効果が、公害や被爆でも学者さんによって研究されていたのですね。


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